信じるな!

今日はあの雑誌の発売日。早く買いに行きたくて、朝からうずうずしてました。
会社のお昼休みになって、大急ぎで食事を取って、近所の本屋さんに向かいました。
雑誌。すぐ見つかるといいんだけど。
最近その本屋さんではレイアウト変更があったみたいで、書棚の場所が入れ替わってるのです。
困ったなあ。
その、雑誌のジャンルっていうのが、えっと。
周り中肌色の女の子の絵とか写真とかでいっぱいの棚に置いてあるようなもので。うろうろ探してるだけでちょっと恥ずかしいんだよね。
なんでそんな雑誌を買おうとしてるかっていうと、執筆者の一人が知ってる人なので、応援買いなの。
本屋さんに入る。運のいい事に、そのコーナーの周りには人がいない。今のうちに。
えーと。ちっさい本。11月号、11月号っと。
「お客様、何をお探しですか?」
後ろから声を掛けられて、ぎくっとして振り向く。
店員の綾子さんだ。この本屋さんにはよく来るから顔見知りなのです。
「あ、あの〜…えっと今日発売の…」
うわあ。こんな場所にいるの見られちゃった。答えがしどろもどろになる。
綾子さんは私が赤面するのを見て、からかうような笑みを浮かべた。
「お客様、申し訳ありません。今日発売の雑誌類は売り場に並べるのが遅れておりまして、こちらになります」
「あ、そーなんですか」
恥ずかしいよ〜。
綾子さんは私の様子なんか気にしないでレジの横を抜けて、店の奥に入っていく。
あわてて後を追う。
薄暗くて荷物を積んである通路を抜ける。店員でも無いのにこんな所に入っちゃっていいのかなあ。
「こちらです」
綾子さんが奥の扉を開ける。
電気が消えてる暗い部屋。綾子さんがドアを開けたまま、先に入れと言う風にうながす。仕方なく中に入った。
綾子さんが明かりを点けて、後ろ手にドアを閉める。
ソファと簡単な応接セットがあるだけの、狭い部屋。
かちゃん、と鍵の音。
え?何で鍵?
と思う間も無く、綾子さんは雑誌を取り出した。
「お客様がお探しの本はこちらですね」
それは、探してた少女天国11月号!
私、何を探してるかなんて言ったっけ?
綾子さんは面白そうにくすくすと笑う。
「先々月も、真っ赤な顔をしてこちらの雑誌を買っていかれてましたね。その様子が可愛かったので覚えていたんですよ」
うわあ、見られてたのか。恥ずかしい。
って、何か、綾子さんが近い。髪からふわっといい香りがする。
私は後ずさる。
「あの、ありがとうございます。そろそろ会社へ戻らないと…」
綾子さんは背が高くて美人。口元のほくろが色っぽい。
「お客様はこんなご本がお好きなんですね」
「ちっ、違いますっ。友達が」
右足のかかとが壁に当たる。部屋の隅まで来てしまった…。綾子さんが妖しく微笑みながら寄って来る。
「ふふっ。恥ずかしがらなくてもいいのよ」
綾子さんの右手が私の肩に置かれる。いつもレジで見るたびに綺麗だと思っていた白い手。
その手が左肩から胸の辺りへ下りてくる。
「あ、あの」
頭が混乱してる。何?これ。
綾子さんの右手はいつの間にか私のスカートの下に。
「ひゃっ、何を…」
指先が妖しく動く。
「あの、やめてください…。昼休みが…会社に…戻らないと」
「この雑誌を読みながら、一人でこうするつもりじゃなかったんですか?」
「あっ、違います…。あ。やめて下さい!」
「そんなに可愛い声でやめてって言われてもね。ほら、もっと湿ってきたわよ」
「ぁあっ。や…めて」
綾子さんの指が下着の横から入り込んでくる。
あっ。ダメっ。
 
オチなし。時間切れなのでここまで。…何書いてるんだか。
主に会社と電車の中で書きました。